日本に帰ってきて慌ただしい毎日を送っていたら、なんと気管支炎になって、ずっと体調も悪く(でもインフルエンザは発症せず!)、大好きなサーフィンもヨガもお預け。運動ができないから、ますますフラストレーションがたまって、くわえて、会社のこれからのこと、来年度の事業戦略など・・・・とにかくいろいろあって心身ともにかなりぐったりきていたのですが、なんとか体調も回復してきました。病気になって改めて思う、やっぱり健康が一番!

この数カ月、いろんなことを考えさせられた。

自分自身と向きあうのは、いつだって、深い深い暗闇に引きずりこまれていくようで、自分が試されている気がする。自分はその深い闇から這い上がってこれるほど強い人間なんだろうかと。でも、悩みなんて一過性のもので、そんなにたいしたことじゃなくて、明日は明日の風が吹くってこともわかっている。じゃあ、どうして人間は悩むんだろう。なんだか、哲学っぽい話だけど、悩む暇があるから悩むんだと思う。

でも、その暇をあえて、無理やり自分で作り出しているのも事実。いまさら、「自分探し」という歳でもないんだけど、少し日常を離れて、普段考えないことに思考を巡らせるのは、自分にとって大切な時間。毎週末のサーフィンが欠かせないのも、旅をするのも、そういう理由からだと思う。でも、結局、そうやって時間があると、余計なことまで考えが及んで、悩んでも仕方のないことまでアレコレ考えだしてしまうから、はたしていいのか悪いのか。それに、自分にとっては必要な時間、といっても、はたからみれば、あまりに自由奔放過ぎて、自己中な行動とも見て取れるので、迷惑をかけることも多々ある。つまり、目の前にある現実に物足りないから(それとも単に欲が強いだけなのか)、まだ見ぬキラキラしたなナニカを求めて、どこかに行ってしまいたくなるんじゃないか・・(と自己分析してみる。心理学科卒業なもので)。

ここ数年は、常に自分が試されているような感覚だった。

これでいいんだろうか。
このままでいいんだろうか。

訳もわからないまま
答えも見つからないまま、
なんとなく大事なことから目を背けて
他人のことを心配をしているようで
ただただ自分のことだけで精一杯で
自分が描いてきた空想の未来にしがみついて
走り続けたきた気がする。

ゆかりさんが逝なくなってもうすぐ2カ月が経つ。

あの日を境に、走り続けてきた自分に急にブレーキがかかった。

ゆかりさんに胸を張って言えるようなことを、はたして私はどれぐらいしてきたんだろうか。
恥ずかしくない生き方を、はたして私はどれぐらいできているんだろうか。

先を、前を見すぎるあまり、大切な何かを見失っているんじゃないか。
目の前にある大切な人、コト、が本当に見えているのか。

忙しくても、いつだって自分の足元の暮らし、家族との生活を何より大事にしていたゆかりさん。
忙しくても、いつだって3人の子どもたちの話に真剣に耳を傾けていた。

そのあまりにまっすぐで、いつも全力で毎日を、正直に「いま」生きる姿が私にはまぶしすぎて、羨ましかった。そして、またゆかりさんの内面を映すかのように、彼女を囲む暮らしの全ては美しくデザインされ、桃源郷のように美しかった。何にもないけど、全てがあるような暮らし。私もいつか、こんな風に、穏やかなモノに囲まれて、健やかに気持ちよく生きられたら、どんなにいいだろうと思った。

ゆかりさんは、何かを託していったような気がする。

それが何かはわからないけど、いまは、少し足をとめて、ゆっくりいろんなことを見渡して、いままで向き合ってこなかったことに、向き合う時期。

大事なのは、目の前にあること。
昨日はもう過去で、明日はやってるくかもわからない未来。
あるのは、今日だけ。
いま、だけなんだってこと。

Yesterday is a HISTORY.
Tommorrow is a MISTERY.
Today is a GIFT. So that’s why we call it the PRESENT
~ 大切な友人の言葉より ~

そして、その「いま」をどう精一杯生きるかってことに、もっと向き合わないといけないのかもしれない。
それは、きっと、もっと自分に正直に、シンプルに生きるってことと、私の場合、同じことなのかもしれない。
それは、「いま」 ないモノを嘆き、悲しみ、羨み、欲するのではなく、
「いま」 あるモノを大切に育て、有り難く、日々感謝することと同じこと。

Living Simple

It is easy to make your life complex. So hard to make your life simple.
 - Yvon Chouinard (Founder of Patagonia)

パタゴニアの創業者イヴォンに3年前初めて会ったとき、

“What is Surfing To you”
(あなたにとってサーフィンとは?)

と聞いたことがある。

そのときの答えは、確か・・

”Surfing is simple and by far the purest sport. YOU have to adapt yourself to nature. You are out there in the ocean with nothing but a surfboard.”

(サーフィンはシンプルで一番ピュアなスポーツだと思う。自分が自然にあわせなくてはいけないから。サーフボード以外何一つ頼るべきものなく、あの広い海にただ浮いているのだからね)

何かを追い求めるように、何かに追われるかのように、すべてを洗い流すかのように、毎週サーフィンに行くのは、この感覚のせいかもしれない。シンプルでピュアな波乗りという行為は、波のフェイスを滑りおりる一瞬一瞬がまるで永遠続くかのように長くも感じられたりする。それは、海の状況、波の大きさ、うねりの向き、刻々と変わる自然の要素を感じ取って、自分の持てる全てを出し切ることで自分をあわせ、深くて大きい自然に自分を預け、自然もまた自分をすっぽり包み込んでくれているから。そこから得られる圧倒的な高揚感、一種の幸福な陶酔感は、神経を穏やかにしてくれて、一度味わったらやめられない。

人生も、波乗りみたいなもんだ。

人生という限られた時間のなかで、自分は何をすべきか。何ができるのか。
答えは、わからない。

でも、「いま」という状況を見つめて、全てを受け入れて、まっすぐに、ピュアに、自分ができる全てのこと、最善のことをして、「いま」を正直に、ゆったりと健やかに生きることはできるはず。

Happiness Is Not A Destination. It’s A Journey.

Are You Happy?