ブログでの報告が遅れましたが、実は、先月末にgreenz.jp を運営する
株式会社ビオピオを退職しました。

『え???どういうこと???。だって自分でつくった会社でしょ???
倒産????解散????』

ええ、そんな反応をたくさん頂きました。
でも、どちらでもありませんのでご安心を!

2007年にgreenz LLPをファウンダーのnao, yosh と立ち上げたのち
2008年に法人化して株式会社ビオピオを設立してから
2年間社長をつとめました。

社長といっても名ばかりで、会社経営の知識や経験もない私ができることなんて、
失敗のほうが多かったと思う。

ずいぶんと肩肘はって、わからないこともわからないといえず、
不安なことも不安といえず、自分が得意じゃないことも、好きじゃないことも、
「社長」という肩書きを演じることで、ココロにわだかまりを感じても、
ふたをしてずっと突っ走ってきた気がする。

とはいえ、すばらしく才能にあふれたビジネスパートナーのnao とyosh の
3人で支え合いながら、適材適所の役割を担ってやってこれた。

でも、ときどき、

「なんでこれをやっているんだろう」

そう自問するときは、きまって、自分の「原点」を思い出して、
また頑張ろうと思えた。

自分の原点。それは、昔もいまも、かわっていない。

「海辺のエコビレッジをつくって暮らすこと(できれば村長になること)」

言い続ける事(いい聞かせること)と思い続けること(思わせ続けること)が
「原点」を忘れないために必要なことだとおもった。

でも、去年の8月に大切な人を失ってから、自分の中で目指してきた、
ちょっと遠い未来の道が見えなくなりはじめた。

今日という日でさえわからないのに、明日のことなんて
誰にも、わからない。

明日突然死んでしまうかもしれないのに、未来のことばかりみて、
「いま」感じていることや、「いま」大切だと思うことに
フタをしていいんだろうか。
「いま」を生きなくて、いつを生きるっていうんだろう。

ただ、現実はそう簡単にはうまくいかないし、甘くもない。
頭ではわかっていても、ココロとカラダがついていかなくて
不調をきたすこともある。

実際、今年は本厄、大厄で、見事的中(というかすべての不運な出来事を厄のせいにしている)!。

32年間生きてきて一度も救急車にのったことがないのに、
今年は2回も!!(1回目は単に不注意で自転車で単独横転事故、
2回目は腹部の激痛によりオフィスで倒れる!)搬送されたし、
車も2回事故ったし、気管支炎喘息を3ヶ月近く煩ったし。
まあ、単におっちょこちょいで自己管理がなっていないといえばそれまでですが。

ゆかりさんの突然の死を乗り越えるのは、思っていたより、簡単なことじゃなかった。

でも、房総の自然の中、いすみの森のなかに家を借りて
自然に近い場所で、自分とゆっくり向き合ってみると、
自分にとって心地いいライフスタイルが感覚的にわかって
ようやく、自分が目指すべき道、自分らしい生き方が見えてきた。
自分の原点にあるものが、抽象的な夢みたいなものじゃなくて、
上っ面の理想論や言葉だけじゃなくて、感覚的にリアルに腑に落ちていくのがわかった。

そしていつしか、房総の自然にじっくりとグラウンディングをして、
ここをホームベースに、リアリティのある暮らしをつくっていきたくなった。

と、そう思っていても、実行に移すのは、やっぱり相当なエネルギーと
タイミングが必要なわけで、足踏みをする状態がやっぱり続いた。
結局のところ、不安のほうが大きく、夢は夢であるからこそよくて、
現実になると、急に怖くなるっていうのは、まんざら嘘でもないかも、
とおもったり。

でも、次第に房総妄想がふくらみ、その想いを多くの人にシェアしたくて
東京から人を呼んでイベントを企画したり
夏休みにハワイでコミュニティを視察していくなかで、
そろそろ、ちゃんと夢をカタチにしたいと、思って
房総週末カフェもわずか1ヶ月半で立ち上げた。

夢をカタチにするために必要なことは、夢を語るだけのパッションや
巧みなコミュニケーション能力じゃなくて、自分の目でみて
耳で聞いて、手でやって感じてみた実体験がベースにないとだめだとおもった。

あれがやりたい、こんなことがしたい、と言っているだけで、
いったい、いつになったら、私は何をするんだろう。
そのときに果たして何ができるんだろうか。
このままでいいのかな。
きっと来年も同じこと、言っているんじゃないかな。

そう思ったら、このままいたら何もできない、そんな危機感さえおぼえた。

だから、もう一度、原点にかえろうときめた。

2006年5月にサラリーマンを辞めて訪れたオーストラリアで経験した
暮らしが私のすべてのはじまりだった。
人生の師匠、ゆかりさんとの出会いでかわった人生観。

4年半経ったいま、もう一度、あのとき感じた強い想いを確かめに、
そして、自分のモノにするために、ゆかりさんが教えてくれた、
「パーマカルチャー」の本質を体得すべく、
「Permaculture Design Certificate 」(トレーナーとしての国際認証資格)
を取得しにオーストラリアへ3ヶ月いってきます。

途中旅をしながら、ヨガのティーチャーズトレーニングも受講し、
ウーフをしながらコミュニティや農園に滞在、視察をしてくる予定です。

真夏のオーストラリアですから、もちろん、波乗りもね。

というわけで、房総に本格的にシフトする前に、
いまさら「自分探しの旅」という年齢でもないのだけど
やっぱり、自分の原点を確かめる
旅立ちのときが、「いま」というタイミングなのかな。

だから、しばしgreenz とはお別れ。
成長してかえってくるからまっていてね。

というわけで、前置きがながくなりましたが、
ビオピオは退職したけど、
greenz.jp はいわば自分が産んだ赤ん坊のような存在なので
一時的に離れますが、これからも継続的にかかわっていく予定です。
なのでご安心を!(笑)

最後になりましたが、この場をかりてお世話になったたくさんのみなさまへ、
いままでほんとうにありがとうございました。
そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします!